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2-4 劣化状況に応じた修繕・改修技術の適用

国土交通省・持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会

2-4 ①外壁・躯体

  • 外壁・躯体の劣化は、コンクリート表面からコンクリートの内部、鉄筋へと進行する。劣化が軽度のときには、ひび割れたコンクリートの補修で対応するが、劣化が内部に進行した場合、コンクリートの中性化抑制、腐食した鉄筋の補修が必要になる。なお、特に中性化が重度に至った場合でも、技術的には、電気化学的防食工法※により相当程度の補修が可能であるが、コストは相当高い。

国土交通省・持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会

2-4 ②屋上防水

  • 屋上防水の劣化は表面保護層から防水層へと進行し、防水層が損傷すると漏水が発生する。軽度の場合には部分的な補修で対応できるものの、劣化が進んだときは補修を全面的に行う必要がある。
  • 既存の防水層の劣化が著しい場合には、既存の保護防水等を全面撤去してから、全面的に再施工され、補修の単価が上昇する。

国土交通省・持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会

2-4 ③外壁タイル

  • タイル仕上げの外壁は、劣化が進行することにより補修を要するタイルが増加する。
  • 補修は、張替工法及びアンカーピンニング・注入併用工法により行われ、劣化の進行は必要工事量の増加、補修費の増加につながる。なお、劣化が重度の場合、外壁複合改修構工法(ピンネット工法)を採用して全面的な改修が必要となるケースもある。

国土交通省・持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会

2-4 ④設備

  • 排水設備の修繕には、劣化の程度に応じて洗浄、更生、更新の技術が選択して適用され、劣化が進行しているほど適用される技術の単価は高い。
  • 躯体に打ち込まれた共用設備配管及び専用部に設定された共用設備配管の更新は、外部への露出配管新設工事や間仕切り壁等の撤去・復旧費が加わる。

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2-4 ⑤劣化状況による改修工事費の比較

  • 2-4の①~④までで示したとおり、劣化状況が軽度⇒中度⇒重度へ進行することによって、  
    ・単価の高い技術が必要となること  
    ・補修すべき対象面積(幅・深さ)が増加することになり改修費用は増大する。
  • このため、劣化が重度になる前に、計画的に修繕を実施することが重要である。

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